豚さん大活躍

牛も鶏も大変なことになってしまって、肉がなんとなく売れてないような雰囲気。
牛はもちろん値上がり傾向だし、鶏もインフルエンザショックで肉も玉子も値崩れ基調。
豚だけはなんとか健闘中しているようだけれど、売れ行きはあんまりよくないようだ。夜になって行ったスーパーでは、豚バラブロックが思いっきり半額になっていた(今までだとせいぜい100円とか30%オフくらい)。
チャンス! とばかりに600グラムくらいのかたまりを買い、煮豚を作ることにする。

茹でたバラ肉を、調味液につけるだけの手抜き料理。こんな簡単な料理もないってくらいに簡単だし、ビールにも合うし、煮豚丼にしておいしい。

「煮豚+作り方」で検索したらいくらでもレシピは出てくるし、たいていは少ない手数で充分おいしいものができる……にしても、それなりにコツはある。
茹でるときは香りづけにローレルやショウガといっしょに。長ネギの青いところを入れたりもする。ジャガイモやニンジン、タマネギと一緒に茹でて、野菜はポテトサラダにしてしまうのもいい(これは肉と野菜にお互いの旨味がうつる)。
醤油2、酒1、みりん1。これに適量の砂糖。これがたいていのレシピで紹介されている調味液の分量。これは一度火にかけておく(そのとき塩をひとつまみふって、味を整える)。八角を入れると一味違う。
それから「出汁」、これが絶対に必要! 器に肉がひたひたになるまで昆布出汁を張り(面倒なときは顆粒の出汁。でも、味の素だけでは足りない)、ここに調味液を注ぐ。
あとは味がしみるのを待つだけ。肉と一緒にゆで玉子をつけておくと、幸せ度もアップ。

今回は中華鍋で肉に焼き目をつけた後、その鍋で調味液で煮る、という作り方に挑戦してみた。
塩の処理をしたあとの肉を、胡椒といっしょにオリーブオイルでマリネしておく(胡椒の他に、ローズマリーやグローブ、バジルやタイムといったハーブをお好みで)。
中華鍋でオリーブオイルを弱火にかけ、ニンニクとショウガを切ったものと、ホールのブラックペッパーを入れ、香りを移す。
肉に焼き目がついたら、鍋から余分な油をふきとり、昆布出汁を肉がひたひたになるまで注ぎ、中火で肉に火が通るまで煮る(具合は竹串で見る)。ローレルやショウガはこのとき。八角もここで。
肉に火が通ったら調味液を投入(そのとき火を強くして少し煮立てる)。そらから、弱火でしばらく煮込んだら、適当なところで火を止めてあとは待つだけ。ゆで玉子は火を止めてからで充分(半熟がおすすめ)。
煮汁の温度が下がったら表面にできる油の膜は取り除く(ちょっと残した方がおいしい)。

食べるときは、温めた方がおいしいけれど、鍋のまま再加熱すると煮詰まってしまうので、切り分けたものを小鍋で温めるか、電子レンジを使う方がベター。
ゴマをたっぷりかけた上からコショウとパブリカをふって、煮汁をとろっとかけるのがいつものパターン。丼の具にするときは、ごはんの上にレタスの千切りとタマネギのスライス。オリーブの実やクレソンを添える。味付け玉子も忘れずに!

残った煮汁は、次を作るときのために冷蔵庫で保存。そしてまた、タイムセールのバラ肉を見つけたら作っちゃえばいいわけです。

焼き目をつける効果は、旨味を閉じ込めるというよりは、ハーブの香りを移す効果の方が大きそう。シンプルな味に作るときは、煮てから浸すだけの方がいいかも。そのときは、肉汁を逃がし過ぎないようにすり込む塩を多めにするといいのかな……まだまだ試行錯誤中です。