二郎さんに喝采!

コント55号のあの間合いの絶妙さというかめちゃくちゃさというか、ああいった生の呼吸というのはやはり舞台ならでは。二人が揃って出ている場面では、大声で笑わせてもらった。
あのツーカーの呼吸の妙というものは、僕なんかの文章では説明のしようがない。
冗談抜きで涙が出るほど面白かった!

ただ、欽ちゃんの芸というのは、二郎さんがいてこそだったんだな、とも思った。
二郎さんが誰とカラんでも二郎さんでいるのとは対称的に、欽ちゃんが他の出演者とカラむと、どうしようもなく「古さ」を感じさせてしまうからだ。
テレビで消費されるということの怖さを、今さらながら感じた。

芝居の筋そのものはなんということもなく……というか、はっきりいってひどかった。
テロリスト(山賊)に拉致されたヒロイン(医者)が、ストックホルム症候群から強烈なシンパシーを感じて無償の奉仕を続ける、というとんでもないストーリー。演出が良ければまだ見られたかもしれないにしても、特に語るべき事は何も無し。

個人的なツボは、剛州が出演していたこと。
岡っ引き役で、でもセリフは一つだけ! そして、下手からブツブツ言いながら出てきて上手に去るあたりは、まんまカンコンキンシアターだったのに声を殺して笑っちゃいました。