今週のモンキーターン

モンキーターン」がすごかったのは、少年誌で、しかもチャンピオンでもなんでもなく、よりによってサンデーが作品の題材に「競艇」というギャンブルをメインに据えたということだ。

自動車や二輪車のレース全般が好きで、以前競艇場の近所に住んでいた僕は、競艇をギャンブルではなく(「水上の格闘技」でもなく)モータースポーツそのものと考えていたから、この“ギャンブル”を歓迎した。
競艇をキッチリとスポーツとして捉えた「モンキーターン」は、ただのトンデモ漫画の「競艇少女」のダメダメさとは対称的に、競艇ファンからもの評価も高かったようだ。

しかし……今週の展開はサンデーの一番ダメなところが出てしまった気がする。
今回のようなやり方を続けたら、この作品はいわゆる「サンデー的」なラブコメとして進んでいくだけだろう。主人公の手首をグッサリとブラブラにしてしまうシビアさはどこにいったんだ?

この場合のサンデー的というのは、秋葉原的になる前のまだ平和だったマンガ・アニメ的恋愛、一種の箱庭的インナーワールドのことだ(cf. あだち、高橋的世界)。
今さらそういう世界を展開するのであれば、マガジン的に美少女が非日常空間で展開する恋愛の方が、まだ今日的な状況に即してる、なんてことにもなりそうだ。

洞口ジュニアの苦悶にしても、競艇のライバルとしてではなく、ラブコメのライバルとしてのそれを強めていくとしたら、ストーリーの質はどんどん落ちていくしかないだろう。

やっぱり、連載が長く続きすぎたのかな……。

でも、個人的には澄はどうしても好きになれない。というか、波多野が彼女をまだ身近においていること自体が不思議。
でも、若い男の子だったらまだガマンできるのかなあ……僕だったら手巻き時計の修理のエピソードのあたりでもう耐えられなくなっていたと思うのだけれど。