いわっぱらスノボ日記 2

kakeru33072004-02-29

今回泊まった林屋旅館の軒先。
地元の観光協会に加盟している旅館やお店にはこの雪だるまの提灯がぶらさがっている……とはかぎらないのだけれど、加盟店にはもれなく配られてるのだそうで、ゲレンデのど真ん中にある食堂にもぶらさがってました。

さて、朝。例によって同行者が起きない。
朝ご飯を食べる頃にはもう食堂には誰もいない……ご飯はまあ旅館の朝ご飯としてはとても正しく(シャケに焼き海苔に納豆、とか)、良くも悪くもない。でも! コシヒカリがおかわり自由なんだから、これはもうそれだけで贅沢。
これからゲレンデに行くのでなければ、何膳でもおかわりしたかった。

天気はあいにくの曇り。もしかしたら雨になるかも、という予報。
ゲレンデコンディションは刻一刻と悪くなるのだけれど、気温はそんなに上がらないので、前回の石打丸山でピーカンになったときよりもラクなくらいだった。
前回の「雪がどんどん融けてきて、手袋やウエアはどんどんビショビショになっていく*1」というのも、外側の融けた雪だけではなくて、内側からの汗も多かったんだろう、と今さら気づく。

やっぱり雨が降り始める。地元の人はこんな天気では滑らない、ということもあって、ゲレンデはどんどんガラガラに。
昨日にも増してとっても広く感じるゲレンデで、ウェーブ(バイクのモトクロスのような「スノーボードクロス」のために作られた人工のセクション)に入ってみると、斜面から強烈なキックバックをくらってとんでもないことになる(それでも昨日急斜面を“滑落”したことに比べたら月とスッポンだったけれど)。
雪質が悪くなったということで、今回の「課題」のはずだったグーフィー(右足を前にした逆向きのスタンス)でのターンも、ちょっとクリアが難しそう、と思ったけれど、慣れもあってかどうにか練習を続けられた。

そして、今回最大のブレイクスルーは、突然やってきた。

かなり疲れ気味ということもあって休み休み滑っていたら、中腹の緩斜面で、上級者のグループが妙にのんびり滑っている。どうも結構滑れる人を対象にしたレッスン中の一行らしい。
生徒は黒系のウェアの大男ばかりなので、インストラクターの女性の鮮やかなグリーンのウェアが、鮮やかなコントラストになっている。
彼女は小さな体をさらに小さくして、ゆっくりと、そしてとても滑らかにターンを切り返していく。

そうか! 重心を落とさないと、ボードはコントロールできないのか!!

彼女のフォームは、今まで見たこともないくらいに膝を曲げ、腰を落とした、そしてスムーズなものだった(そして、スピードがコントロールされている)。
さっそく物まねして滑り出してみると……おおっ! 曲がる、曲がる、そして止まる!
手は広げ、腰を落とし、ヒザを入れる。大げさに見えるそんなフォームが、全ての始まりだと、今さら焼き付ける*2

一番大事なことに、最後の最後の瞬間に気づいたことになる。遅すぎたかもしれないけれど、それはとても幸運な瞬間だった。
バートンの黄緑、今まではヘンな色だなあ、と思うだけだったけれど、これから多分一生忘れないだろう。

ところが……ヒザにそろそろキテいるということもあって、思ったようにはなかなか腰を落とせない。どうやら二年越しの課題になってしまったようだ。
そうこうしているうちに、そろそろ引き上げなければいけない時間になる。
ゲレンデの下まで迎えに着てくれていた旅館のお父さん(実はスキーのベテランインストラクター)に僕たちの滑りはしっかり見られていて「思ったほど疲れてないんじゃない? もっとヘトヘトになってると思ってた」なんてニコヤカに言われる。
やっぱり二泊くらいでもうちょっと滑りたかったなあ、と帰りたくない気持ちがふつふつと。
緩斜面が多くて中上級者には物足りない、なんてよく言われている岩原だけど、ゲレンデの広さとリフトのスムーズさはそれでもアドバンテージだと思う。
今度はゲレンデのただ中にあるような旅館に泊まってみたい(荷物抱えてリフトに乗るんだろうか……疑問)。

湯沢に来たのだから温泉に寄らずには帰れない。荷物をまとめて出発、Mr.インストラクターが見送ってくれる。
今回の外湯は、岩原からほど近い「岩の湯」」。
フィッシングパークの目の前の川っぺりにあるこぢんまりとした温泉で、前回の「駒子の湯」からはちょっと見劣りするけれど、湯質はこっちの方が数段良い感じがした。
でも……本当に目の前が釣り場なんだけれど、冬で閉鎖中の今ならともかく、夏になったら見えちゃうんじゃないか?(実際女湯からも同じような景色だったらしい)。
というわけで、夏は釣り&温泉ツアーにこようと思った(ちょっと本気)。

14時過ぎに湯沢インターから乗った帰りの関越は、ほぼ順調。
辺りの山々は、一昨日までの雪が稜線を真っ白にしていて、掛け値なしに砂糖菓子のような景色。でも、国境の長いトンネルを越えると、いつものとおりに景色は一気に茶色っぽくなり、日差しが急に強く感じる。
川越あたりで事故渋滞があったようで、群馬に入ってからはちょっとだけ渋滞。
練馬大泉インターを割とスムーズに抜けると、ちょうどお腹が空いてくる。
アミノ酸欠乏症になっている筋肉痛の一行は、猛烈に焼き肉が食べたくなったので練馬の「みやもとファーム」へ。
ここの焼肉は和牛でとてもおいしいのだけれど、何よりも何よりも、テーブルに一つついている“生ビールサーバー”がキモ。生ビールが量り売りで飲めるのだ!

疲れておなかいっぱいになって、なんだかわからないうちに就寝。

あっ! 八海山買ってくるの忘れた!!

*1:http://d.hatena.ne.jp/kakeru3307/20040208

*2:思い出したエピソード。関根勤が、若大将その人に加山キャプテンコーストに招待されたとき、いきなり上の方のポールを立てた斜面に連れて行かれてしまった! ところが、若大将は「じゃあいきましょうか」と、さっさと一人で降りていってしまう……。「それでどうにかついて行かなきゃと思ってさ〜(ラビー調で読むこと!)、加山さんの物まねしながらさ〜、若大将になりきってついてったんだだよ。でもダメだね、関根勤に戻った途端に転んじゃうの」