「アドルフの画集」★4/5

試写会で「アドルフの画集」(2/7からテアトルタイムズスクエアで単館上映)。

アドルフとは、あのアドルフ・ヒトラーのこと。チラシに「ヒトラーを理解しようとすること自体が彼の行為への正当化につながる、との批判」について触れているように、題材自体に大きな問題があるので、この映画はたしかに微妙なポジションにある。
しかし、エクスキューズかもしれないにしても、主人公は画商のマックス(ジョン・キューザック)で、原題も「Max」。決してヒトラーを中心に据えた映画ではない。

……にしても、ノア・テイラーが若きヒトラーを熱演怪演すればするほど、やはり観客を「懐疑」に引っぱってしまうかもしれないのだけれど。
ともあれ、映画や芸術が好きな人なら、一つのストーリーというか、一枚の絵として鮮烈なインパクトを感じることができると思う。

★4.5で★4。頭にうかんだ何人かを、引っぱってでも劇場に連れていきたいと思った。


あと、特筆するべきはテアトルタイムズスクエアの音響の良さ!
アイマックスシアターとしてコケたあと、一般の映画館になったと聞いた時に、あのスペースを小さく分割でもしたのかと思っていたのだけど、なんと客席もスクリーンもそのままだった。
アイマックス用のJBLのスピーカーがそのまま残っているのだから、これは相当なアドバンテージ。
でも、スクリーンが巨大すぎて、前の方の席で見ると首が疲れそう。ベストポジションはもしかしたら最後列かも。
今かかってるのは……『精霊流し』。これはべつにここではなくてもよさそう。日本最大のミニシアター、これからの上映作はマメにチェックしておこうと思った。