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「卒業」★3/5

この映画を「名作」ってスタンスで捉えることには、大きな声で「ノー」を。とはいうものの、「アメリカン・ニュー・シネマ」という存在、ムーブメントが、この時代にどんなふうに存在したのか、ということも合わせて考えないといけないのだろう、とも思う。…

映画宣伝というネタバレビジネス

映画をテレビや雑誌で宣伝するとき、興味を引くためならどんなテも使うのもアリなわけで、その中には『「パニックルーム」★2』で触れたようなストーリーの山場までを明らかにしてしまう手法もあるし、ある層の人たちの共有認識を刺激する方法もあります。 続…

「パニックルーム」★2

「デヴィド・フィンチャーだったの?」と、まず驚いた。今までは強烈な演出に何度もノックアウトされてしまったけれど、この映画にはそういう直球のドギツサは見つけにくい。演出手法が洗練されたとは言えるにしても、これって一応スリラーなわけで……。 - や…

「ラストダンス」★2/5

シャロン・ストーンも新境地開拓に必死だったのかもしれないけれど、彼女の存在はこの題材とこの作品そのものにはマイナス作用しかしなかった。脚本と演出が中途半端なので、セクシー女優が居心地悪そうにしているようにしか見えなかったのは彼女にとっても…

「セブン・イヤーズ・イン・チベット」★3/5

1939年秋、ナチス統制下のオーストリア。登山家のハインリヒ・ハラー(ブラッド・ピット)は、出産が間近の妻イングリッド(インゲボルガ・ダプクナイテ)を振り切り、ペーター・アウフシュナイダー(デイヴィッド・シューリス)等と共に、ヒマラヤ山脈の未…

「夢のチョコレート工場」★4/5

再見。 原作の「チョコレート工場の秘密」は児童文学としては名作中の名作で、子供にとってある種の通過儀礼になっているかも? なんて印象もある有名なものだけれど、映画版は全くといっていいくらい知られてないような気もする。まず、日本ではウケにくい…

「ドッジボール(仮)」★3/5

邦題から公開時期まで全て未定。映画会社のマーケティング試写にて鑑賞。ベン・スティラーが大暴れしているコメディー。 大の大人がドッジボール(我々の知っているドッジボールとはちょっとルールが違う)に血眼になるハメになり、そして……というコメディ。…

「さゆり」って日本人、だよね?

> 日本の芸者の一代記を描いたアーサー・ゴールデンのベストセラー小説「さゆり」(Memoirs of Geisha)が映画化されることになり、ヒロインの新田さゆりにチャン・ツィイー(25、写真=AP) が抜擢されることになったんだと。チャンの広報担当者が19日に発表し…

「チョコレート工場の秘密」と「007」の意外な繋がり

「ヴァン・ヘルシング」で一番気に入ったのは、じつは主人公やヒロイン、そして敵ボスの衣装デザインなんだけど、この映画の衣装:ガブリエル・ペスカッチは、来年公開予定の「チョコレート工場の秘密」の再映画化でも衣装を担当するようで、今から楽しみ。…

「ヴァン・ヘルシング」★3/5

大丈夫です、面白いから。オリジナルのポスターではあんなのやこんなのが後ろに見えてるってことで、そういう宣伝がされてたんだろうと思うけれど、日本ではポスターを始めどうもヒュー・ジャックマン&ケイト・ベッキンセールを中心に、登場人物をメインに…

教えて「テイキング・ライブス」を見た人!

(左より)「変身」製作発表会見に出席した佐野智樹監督、玉木宏、蒼井優、佐田真由美、松田悟志、山下徹太 不慮の事故によって生死の境界線を彷徨った青年が、世界初の脳移植手術によって一命を取り留めるも、一部移植した他人の脳に影響を受け変節していく…

「テイキング・ライブス」★2/5

マスコミ試写にもぐりこんで鑑賞。 今回はいらっしゃらなかったです、おすぎさん。 1983年、カナダ。長距離バスに「乗り合わせた」二人の少年。意気投合した彼等は、道中で買った中古車でシアトルに向けて気ままな旅をしていた。突然のパンクに車を止めた二…

「トロイ」★3/5

「感情移入を拒否する物語」……見出しのつもりで書いたのだけれど、自分としてはこの一行で全てが済んでしまうような気もする。そもそも、トロイ戦争の話自体はあまりにも有名で、トロイの木馬にであんなことやこんなことになってしうことを大半の人が知って…

まだまだ「ビッグ・フィッシュ」

4日前にボイス母さんのコメントには似たような体験をしたからこそ、といった共有認識を感じた。 死者には死者の存在感というのが、確かにあるのだ。 そして、遺された者はその「存在感」が巻き起こす渦に巻き込まれていってしまう。その渦が大きいか小さいか…

まだ考えている

「ビッグ・フィッシュ」のこと。将来自分の子供に、昔語りに子供の頃のエピソードを話して聞かせたとして、その一部は「どうしようもないホラ」だと思われてしまう可能性もあるんじゃないか? そんなことを考えた。例えば…… 「庭の木にキツツキが巣を作った…

「ビッグ・フィッシュ」再び

「bunqさんのはてな」で「親の死はまあ順番だとも思いました」、なんてコメントをしたことと、「ビッグ・フィッシュ」的なことを色々と考えてしまうわけです。「順番」だったという気持ち自体は変わらないにしても。身近な死として一番最初に体験したのが父…

父と息子

「ビッグ・フィッシュ」は、ディスコミュニケーションであれ、何らかの不幸な関わり様であれ、「父親」に対して何らかの関係性を持っている「息子」に、何かを感じさせる映画。もし大学生くらいのときに見ていたら、スクリーンの前で斜に構えてしまってたか…

「海猿」★1/5

「愛と青春の旅立ち」「トップガン」的な構造を縮小コピーしただけでチョン。原作のシビアさやハードさは無くても、マーケティング的なデコレーションだけにはぬかりがなく、コアターゲットのハートはガッチリキャッチ? 「踊る大走査線」の映画が楽しめた人…

映画「シルミド」の疑問

韓国の映画では、原語の台詞がときどき聞き取れたりする。 「キムチチゲ」これはバッチリ。でも、字幕に「味噌チゲ」と出ていたのはなんて言ってたんだろう? いつもの焼肉屋、下井草の「焼肉サラン」([food] 「売るものがない、じゃあ困っちゃう!)の店主…

「スペースカウボーイ」★2/5

イーストウッドはすごいなあ、とは漠然と思ったけれど、作品としてはなにかとユルイ。 多分、宇宙に行くまでのシークエンスで、語りたいことのほとんどは終わっちゃってたんだろう。宇宙でのシーンの緊迫感の無さときたらもうユルユル。 2000年作品とは思え…

「コン・エアー」★2/5

ブラッカイマーには何も期待してないんだけど、それにしてもすごい。「映画」と書いて「おおあじ」ってルビをふったような作品。 そして、どんな作品に出ようが、落ち武者になろうが、いつもニコラス・ケイジであってそれ以上でもそれ以下ではない彼は、やっ…

じつはいつも間違う

友アリテ……の続き。 韓国映画の話をしていたときに「八月のクリスマス」と「イルマーレ」をときどき取り違えて話をしていたことに今さら気づいた……。えっと、SF仕立てなのは「イルマーレ」です。「八月のクリスマス」は、まあある意味ベタなドラマですね。好…

「下妻物語」★2/5

オープニングからバシバシ始まるCM調の演出にグッタリ。中島哲也の演出は徹底的にテレビ的に軽薄。無意味に挿入されるアニメが妙にスピーディーでスタイリッシュなあたりと合わせて、どこか石井克人のパクリ調。画面コントラストのキツさも神経症的。キャス…

ペイチェックのCM

リンク先に、Yahoo!の検索結果の「ペイチェック+テレビスポット」があった。もし、これからペイチェックを見ようと思っている人は、このCMが始まったら目をつぶって……だけじゃたりないから、リモコンでスイッチを切っちゃった方がいいかも。 たしかに、これ…

「ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ」★3

「ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ」 だからといって、こっちの方が上等かというとそうではない。 湾岸戦争後の、情報操作に対する危機感や、上手に騙されてしまった自分たちへの自嘲もあって、こういう作品が重なったのかもしれないにしても、それとエンタ…

「マッドシティ」★2

「マッド・シティ」 ダスティン・ホフマンはもちろんいい芝居をしているのだけれど、そこまで。ジョン・トラボルタは『パルプ・フィクション』後(つまり「復活」後)なのに、またモッサリ、のっそり。同テーマと言える『ワグ・ザ・ドッグ』からは数段落ちる…

「人狼」★5

ケルベロス世界の背景や物語そのものが、漫画の『犬狼伝説』と合わせて“やっと”全体像を見せてくれた。異能の映画人・押井守が、これも異能の漫画家・藤原カムイと出会い、そこにもう少し普通の人寄りの沖浦啓之が加わることで見えてきた地平。始まりが「赤…

「ケルベロス/地獄の番犬」★2

押井ワールドの踏み絵。 押井的普遍性が全編に詰め込まれているけれど、映画的普遍性は片隅にしか無い。この作品が楽しめた人なら、どんな押井映画でも大丈夫。もっともっと濃い「紅い眼鏡」は、フツーの映画ファンにとっては踏み絵ですらない「災難」。ケル…

「ペイチェック」★3/5

なるべく情報誌の映画コーナーは見ないようにしている。「上映中の作品」なんてところは必要に迫られて見ることがあるけれど、近日公開の作品の特集記事は特に気をつける。女性誌の映画コーナーなんて絶対に読まない。 というのは、「シュリ」と「パニック・…

「PARTY 7」★1/5

かなりイイ感じの出来のオープニングアニメのような疾走感は本編中には無く(ほとんどホテルの一室から動かないし)、ヒロイン(小林明美)のセリフや芝居はおそろしくヘタ。オープニングクレジットに「NAGASE VS ASANO」って出てきたけど、永瀬正敏は一人だ…