台風のようにやって来るゴジラ
■「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」★2/5
ミニラのことをいう前に、冒頭のゴジラの「パッチリお目々」でテンション急降下。平成ゴジラでさえやらなかったなんともわかりやすい造型は、誰が必要としたんだろうか。
そして、冒頭の哨戒機(?)の搭乗員。ゴジラにちっとも驚かない。
ゴジラ出現ががルーチンワークになってしまって、作り手も観客も緊張感を失ってしまっていったことが、下り坂の下り坂たる所以だろう。
(CinemaScape「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」拙コメントより)
落合監督夫人とどっちにしようかと思ったんだけど、美しい方にしました(写真)
「卒業」★3/5
この映画を「名作」ってスタンスで捉えることには、大きな声で「ノー」を。
とはいうものの、「アメリカン・ニュー・シネマ」という存在、ムーブメントが、この時代にどんなふうに存在したのか、ということも合わせて考えないといけないのだろう、とも思う。
それまでのハリウッド映画が娯楽一辺倒で、西部劇のようなのプログラムピクチャーや、主演俳優のキャラクターにそのまま寄りかかった「○○出演作」というスタンスのもので、ハッピーエンドや勧善懲悪といった「お約束」にがんじがらめになっていたところに、ヒューと風穴を空けたのが「アメリカン・ニュー・シネマ」だった、なんて部分はたしかにあるのだろう。
※以下はネタバレ
続きを読む過去分アップ
- 1109(火)分更新 「民度が高くて低い国、アメリカ」 ブッシュとパリス・ヒルトンについて謝っているアメリカ人の話とか
- 1110(水)分更新 「[[キッコロ]]と[[モリゾー]]」 愛知博で盛り上がっていたり、ラブホテルがなにかとスゴイことになっている名古屋の話とか
キッコロとモリゾー
名古屋日帰り出張。
いつのまにか駅前に巨大なビックカメラができていた。
初代のセルシオが駅のロータリーに路上廃車されてるのはなんとも名古屋。
それにしても街中いたるところにキッコロとモリゾー。
どうやら愛知県では本気で愛知博を大成功させるつもりらしい。ヒルトンホテルのスタッフまでラペルにキッコロとモリゾーだもんなぁ。
他所ものから見たら、箱モノ行政的に名古屋オリンピックの帳尻を合わせたような気もするし、岸田秀的な分析をすれば、オリンピック誘致戦争に破れたトラウマの解消のための代償行為なんじゃないか? なんて気もしなくはない(そして、準備と開幕だけで満足してしまって、後から回ってくるツケのことなんて誰も考えてないような気がするあたりも、まさに岸田秀的構図なんだけど)
あと、ひさしぶりの再訪でやっぱり驚いたのが、街中でのラブホテルの存在感の大きさ。
街道筋には大きなビルのようなホテルがバンバン建ってるし、看板だってものすごくたくさんある。
この分だと、名古屋から東京に来た人には東京にはラブホテルが無いと思われるかもしれない(ってくらいに普通の生活圏に山盛りラブホテルがある)
だって、例えば新宿から杉並までの幹線道路にはラブホテルは……ああまでたくさんは無いと思う。少なくとも建設の認可が下りないだろう(名古屋は新しい建物のホテルがたくさんあった)
そして、村上春樹が以前週刊朝日の連載でやっていた「日本ラブホテル・ネーミング大賞」なんて名前の企画に、今さら応募したくなるような名前もまたたくさんあった。
「セラミック」 瀬戸市にあるかららしい。
「離雑踏」 リゾート、と読む。小さな子供たちが遠足にくるような大きな公園の真正面に大きなビルでドーン! ……やっぱり名古屋はすごいところだ。
駅の雑踏で、名古屋はまだまだルーズソックスなんだなぁ、とか思ってたら、紺のハイソックスと二極分化してるのか? なんて印象も。
まあどっちにしても流行サイクルが伝わるスピードを感じた、なんてところ。でも東京にしたって、「着ぐるみ」が流行してることになってるのだから(恐ろしいことにセンター街には本当にいる)、こっちのほうがよっぽど田舎くさいと思うけれど。
民度が高くて低い国、アメリカ
アメリカでこんなサイトが人気を集めているらしい。
「Sorry Everybody」というこのサイト、大統領選挙の結果について、世界の人々に対して引け目や負い目を感じているアメリカ人が、謝罪メッセージを手にした自分のスナップ写真をアップさせている写真掲示板だ。
こういった自虐というかウィットというか、こういったジョークを形にできるあたりに、アメリカという国と国民の天真爛漫なユーモアや、心意気みたいなものを感じたような気がした。
でも、あの選挙結果については……アメリカ国民の大半は「戦争屋」との蜜月を望んだ、というふうにしか受け取れないことに変わりは無い。
サル大統領を選んだ国、という事実(偏見でもなんでもないところが悲しい)は、多くの他者に対してアメリカとアメリカ人を見る目に対する変化やあきらめを付け加えてしまったことだろう。
そんなに戦争がしたいの? どうしてあんなに値上がりしているガソリン代にアメリカ人は我慢してるの?
わからない。全く、わからない。
まあもっとも、あの国は戦争を求心力にしていろんなことを「上手に」処理してきたことは、過去の歴史が証明してるわけで、だからこそ、大東亜戦争のヒール役をやらされてしまった日本は、イラク戦争の太鼓持ちになって軍隊なんか出すことはなかったのに。
他人の戦争に首をつっこんでいる日本が、イラクで火事場泥棒のように思われてしまったとしてもしかたないだろう。
アメリカが戦争をしたがるなら、一人でやらせておけばいい。いつまでも、一人でやらせておけばいいのに。
ベトナム戦争はどうにか「ディア・ハンター」や「地獄の黙示録」、「プラトーン」を産み出すところまでたどりつけたけれど、イラク戦争でもそういう歴史は作られるのだろうか?
アメリカという国が、この戦争を乗り切って、それから後もかつてのような国であり続けるなら……あるいはそうなるのかもしれないけれど。
「私たちは努力しました。そしてこれからもそれを続けます」とか「信じてください、フロリダの半分はバカではありません」「善良な方のテキサス人から謝罪します」なんて真面目なメッセージが大半。
でも、笑っちゃったのはコレ。